2024年4月1日 校名を変更しました(旧校名:呉竹鍼灸柔整専門学校)

鍼灸コラム:三焦鍼法①

今回は、ここ数年実践している治療法のことを書いてみたいと思います。
長くなりますので、今回と次回の2回に分けて投稿いたします。

その方法とは「三焦鍼法」です。(「三焦鍼法」について少し引用します。)
1.中国の天津中医薬大学のチームが、認知症患者に対して開発した治療法。
2.「三焦気化失調ー老化相関論」にもとづき、老化を遅らせ、さらに老年病の予防と治療を目的とする。
 
ここでいう三焦とは、人体を上部・中部・下部の三部にわけて、それぞれ上焦・中焦・下焦と呼び、この一連の「腑」を示します。
この鍼法は、三焦の機能の低下に対して、特定の経穴に刺鍼・操作することで回復を図るものだと言えるでしょう。そこで、認知症の患者様だけでなく、体力が低下している、強い疲労感を訴える方にも有効だろうと考え、施術に取り入れています。

経穴は以下の通り。

① 膻 中(上焦)  横刺  
② 中 脘(中焦)  直刺  
③ 気 海(下焦)  直刺 
④ 外 関(三焦)  直刺  
⑤ 足三里(気)   直刺 
⑥ 血 海(血)   直刺  

正式には、刺入深度や手技が示されていますが、私は鍼響(ひびき)を目安にして、手技は置鍼にしています。患者様の体格や体調は様々で、リスク管理の観点からも、刺入は慎重に、手技も強すぎないようにしています。

この①~⑥の経穴は、部位がわかりやすく、すべて仰臥位(上向き)で取穴できる事も特徴です。
患者様の顔を見ながら、話しかけながら施術できるのです。衣服の着脱の手間もかかりません。
抜鍼後に、「全身の緊張が解け、スッーとした。」と伝えてくれる患者様もおられました。そして、その後の施術の受け入れも良かったようです。すべての患者様に用いるわけではないのですが、手ごたえを感じています。

*次回は少しだけ理屈を考えてみたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。

参考:全日本鍼灸学会雑誌2016年 第66巻4号 pp.321-327
  :一般社団法人 老人病研究会

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