maeda_main スポーツ / トレーナー
スポーツ / トレーナー

“トレーナー”という
国家資格がないからこそ
必要となる知識、経験、
そして縁


鍼灸マッサージ科 2009年卒
前田 裕章さん
2016年4月取材
神奈川県立旭高校サッカー部出身。スポーツ系専門学校を卒業後に呉竹鍼灸柔整専門学校へ入学。高校・大学のサッカー部で経験を積み、Jリーグのギラヴァンツ北九州→東京ヴェルディ→湘南ベルマーレを経て、現在は横浜FCでトレーナーとして活躍中。

スポーツトレーナーになる
チャンスは誰にでもあります

ボクの夢は、Jリーガーになることでした。高校まで必死にボールを蹴り続けましたが、実力不足を思い知り断念。とはいえ、サッカーから離れることは急にはイメージできませんでした。何でもいいので、サッカーに関わりたい、そんな思いからトレーナーになることを決意。選手とは違う、“ポジション”でJリーグを目指すことにしました。高校卒業後、まずはスポーツ系専門学校でアスレティックトレーナーの認定資格を。その後、呉竹学園で医療系の国家資格を取得しました。最近は、トレーナーという職業が人気らしく、よく「どうやったらなれるのですか?」「必要なものはなんですか?」と質問されます。実際、“トレーナー”の国家資格はなく、なにか資格がないとトレーナー活動ができないわけでもありません。言ってみれば、トレーナーになるチャンスは誰にでもあるのです。

知識は持っていて当たり前
それプラス必要なのは「縁」です

しかし、実際には狭き門です。先ほど、資格は必要ないと言いましたが、知識がなくては話になりません。ゆえに、トレーナーを目指す人のほとんどが、何かしらの勉強をし、何かしらの資格を取得するはずです。ボクが選んだ国家資格、鍼灸師の需要はプロスポーツの現場で特に高まっていると感じます。実際に鍼灸治療を求めるサッカー選手も増えていますし、ボクの治療が効くと選手の間で好評だと聞いたときは嬉しかったですね。それともう一つトレーナーになるために必要なもの、それは「縁」です。コネ?と諦めてしまう人は、きっとトレーナーにはなれないでしょう。縁はもともとあるものでも、その辺に転がっているものでもありません。自ら手繰り寄せるものなのです。

さまざまな現場で得た経験をもとに
Jリーグの世界に

なんて偉そうに言っているボクも、それに気づいたのは最近です。それ以前は、そんなこと考える余裕もなく働いていたからです。呉竹在学中、最初に飛び込んだのは母校の顧問の先生がいた高校のサッカー部です。そこで4年間現場を経験したあと、大学のサッカー部に携わりました。どちらも報酬はゼロ、とは言わないまでも、他にバイトをしないと生活できませんでした。毎日3時間睡眠。確かにいつも眠かった記憶はありますが、辛くはありませんでした。今振り返っても、本当にいい経験だったと思っています。でも、いつかはJリーグのトレーナーになりたいという夢があったので、暇さえあればインターネットで手がかりを探していました。公募なんてあるわけないよな~、と半ばあきらめつつも、毎日しつこく「Jリーグ」「トレーナー」という検索ワードを打ち込んでいると…あるときまさかのヒット!「ギラヴァンツ北九州」が発足初年度、たまたま募集したのを見つけたのです。当然、多数の応募があったはずですが、ボクが契約にこぎつけたのは、地道な現場経験から得た対応力、コミュニケーション力のお陰だと思っています。こうして、ボクはひとつの「縁」を手繰り寄せたわけです。以降も、トレーナーが集まる機会に積極的に参加したり、現場で自分から挨拶をするなどして、横のつながりを大切にしてきました。東京ヴェルディ、湘南ベルマーレ、そして現在横浜FCでお世話になっていますが、これもすべて縁です。その都度「うちに来ないか?」「ここを紹介するよ」と声をかけてくれた人がいるからこそ、今があるわけです。

仕事は大変だけど、
スポーツの現場ならではの
臨場感がたまりません

勤務体系や待遇はチームによりますが、仕事は朝7時に始まり、ときには夜12時になることもあります。ストレッチ、マッサージ、テーピングなどのトレーナー業務に加え、選手と一緒にランニングをしたり、練習のサポートをすることも珍しくなく、結構体力を使います。休みも選手の自主練や通院に帯同することもあるので、定期的には確保できません。ザ・体育会系なので、怒号が飛び交うこともしばしば…(笑)。一試合、一試合、結果が求められるなか、トレーナーの責任も重大でプレッシャーも相当感じます。そう考えると、大変なことのほうが多いかもしれません。でも、勝ったら笑い、負けたら泣く、毎日これほど喜怒哀楽があるのはプロのスポーツ現場ならではです。他ではなかなか味わえないでしょう。スタジアムで何万人の観客が息を飲んでプレーを見つめ、声援を送る――その臨場感を選手と分かち合えることがボクには幸せです。この仕事に就いて、ほんとによかったと思います。しかし、これに甘んじることなく、治療家としてのクオリティをあげるよう努力していきたいです。そして、いつか日本代表チームのトレーナーになれるよう、これからも「縁」を大切に紡いでいきたいと思っています。

スポーツトレーナーを目指すなら